やっぱり寂しい、不思議なニンゲン

 

小林賢太郎パフォーマーを引退することを発表した。

 

ラーメンズを知った当時、わたしは片田舎の学生で「舞台を追いかける」なんて発想もなくて、姉弟を巻き込んでお金を出し合ってDVDを買うくらいしか彼らを追うことができなかった。

だから、ラーメンズが生活の一部だったわけじゃない。

それでも、わけのわからない世界観で爆笑出来ることを知った。

笑いと切なさ、笑いと怖さが共存できることを知った。

言葉遊びの深さと楽しさに驚きと感心を覚えながら、それより笑うことで忙しかった。

クールでスマートに見える小林賢太郎と、個性的な風貌の片桐仁

2人が、何もない舞台の上でドシンプルな服装で作り上げる世界が大好きだった。

心の底から「面白い」と思えるものを知った。

わたしの笑いの全てだった。

だった、じゃない。今でも大好きだ。世界で一番好きな「笑い」の世界だ。

円盤化されている中で一番古い第五回公演「home」を今見ても爆笑する。

ジャンバルジャン、頑張るジャン。

ラーメンズも、KKPも、小林賢太郎テレビも、カジャラも、他にも全部、一つも過去形なんかじゃない。

全部全部、どれも現在進行形で大好きだ。

小林賢太郎が生み出した世界に、楽しそうに無邪気に生きる小林賢太郎が大好きだ。

大好きなんだよ。どうしたらいいんだろうね。

 

これを書いている中で、小林賢太郎よりにやっとアクセス出来たので読みました。

https://kentarokobayashi.net/message/2020/12/01/3776/

4,5年前から決めてたって。実は足が悪くてですねって。

そんな大事な事、何でもない事みたいに言わないでよ。

片桐仁は「がんばって~」と、変なマスクをつけて言ってました。って。

面白かったです。じゃないよ、さりげなくコンビ仲アピールしないでよ。

貴方が世界で一番面白いと思っている男が、やっぱりいつも面白いことなんて、ラーメンズファンはみんな知ってるよ。そんな分かりにくくて分かりやすい相方自慢しないでよ。

この先、小林賢太郎が舞台にいない世界になるんだって、どうしようって迷子になったみたいに混乱して、段々感情が追い付いてボロボロ泣いてるのに。

それなのに、当の本人はなんか視界が広いですよ。っていうし、相方は相方でいろいろ新しいことを考えているようなので、楽しみにしていてださい。っていうし。

寂しくて寂しくて、もう、本当に寂しいけど、なんか納得しちゃうじゃん。

でも「ポツネン氏の奇妙で平凡な隠居生活」とか美大じじい」とか言われたら、観たくてたまらなくなっちゃうでしょ!!!!!!!

小林賢太郎はいつもずるい。

あーーーーー寂しいなぁ。寂しい。

大好きなんだもん。どんなに納得しても寂しいよ。

「お疲れ様でした」も「ありがとう」もあるけど、今は寂しいの方が断然大きい。

 

小林賢太郎は劇場にいます』 

この一文が大好き「だった」なんて、これから先も言えないよ。

 

10月読んだもの

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記事のアイキャッチつけてみたんですけど、どうですか。(知らん)

アプリで作ってみたのでサイズ感や見るツールによってのズレなどなど、様子を見ながら修正していきます。

過去記事にも順次追加したいな。

作るのは楽しいんだけど、見るツールでトリミングサイズ変わるのを考えてやろうとすると「キーッ!!!!」となりますね。

デザイナーさんはすごい。

さてさて、本日のラインナップはこちら。

  

※作者の敬称は省略させていただきます。

小説

怪ほどき屋/南澤径(既刊3巻)

自身の業の深さ故に霊を引き寄せまくる体質の主人公と、彼を生餌に霊と依頼者の「縁の糸」を解くほどき屋の話。

キャラも分かりやすく、サクサク読める流行りの(?)ライトホラーです。

怪ほどき屋 (角川ホラー文庫)

怪ほどき屋 (角川ホラー文庫)

 

 

雀蜂/貴志祐介

どんでん返し系のミステリー。

貴志さんの本は虫の描写が精緻でそれが何より怖い。 

雀蜂

雀蜂

  • 作者:貴志 祐介
  • 発売日: 2016/08/26
  • メディア: Audible版
 

 

時をかける少女/筒井康隆

サブスクにあったので学生時代ぶりに読み返しました。

文章の中にある柔らかな瑞々しさと切なさにノスタルジアを感じますね。

同時収録されている「悪夢の真相」も、どことなく少女漫画的であり、でもひんやりとドライアイスが漂うような不思議な空気感のまま読める。

筒井作品のこの独特の魅力、なんなんでしょう。

時をかける少女 (角川文庫)

時をかける少女 (角川文庫)

 

 

恐怖小説キリカ/澤村伊智

こんなにも感想を書くのが怖い小説は初めてです。 

恐怖小説キリカ (講談社文庫)

恐怖小説キリカ (講談社文庫)

 

 

おいしいベランダ。午前1時のお隣ごはん/竹岡葉月

丸の内で~の作者のシリーズ小説で一巻のみサブスク対象でした。

竹岡さんは猪突猛進系天然年下ガールと、不愛想口悪イケメンの組み合わせが好きなんですね。

話自体は好きなんですが設定がおなかいっぱいかな…。

 

丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。(8巻)/竹岡葉月

澪ちゃんが危険な目に合う展開がワンパターンすぎて「澪ちゃん頭悪すぎでは?!」となりましたが、様式美として割り切ることにしました。

マメの行方が気になるのと高木さんが大好きなので次巻も読みます。 

 

私立シードゥス学院 小さな紳士の名推理/高里椎奈

うちの執事シリーズ完結でロスのところに同作者の新刊でとても心待ちにしていました。

高里さんの上流階級描写は本当に優雅で、食事もおいしそうで大好きです。

こちらもシリーズ化するのかな…してくれたら嬉しいなぁ。 

 

さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~/さかなクン

夢中になったらまっしぐらな少年が「さかなクン」になるまでのエッセイ。

ずっと熱中していられるご本人の才能はもちろん、学校の先生に何を言われても「うちの子はこれでいいんです」というご家族の姿勢がすごい。 

さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~

さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~

  • 作者:さかなクン
  • 発売日: 2016/07/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

羊と鋼の森/宮下奈緒

物語の内容にかかわらず、描写の美しさに泣いたのは久しぶりです。

とても好きな小説でした。この先も折に触れて読み返すと思います。

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

 

 

漫画

ゆびさきと恋々(3巻)/森下suu

くっつくのもっと先だと思っていたのに、逸臣!!!!手が早い!!!!!!!(語弊)

 これから話が進んでいくんだろうけど、あまり雪ちゃんが泣かない展開だと良いなぁ。

 

鹿楓堂よついろ日和(13巻)/清水ユウ

よついろ読んでると外食欲がむくむく沸いてきて危険ですね。

グレはいつも愉快だし、浴衣のまりちゃんかわいかった。

鹿楓堂よついろ日和 13巻: バンチコミックス
 

 

お取り寄せ王子 飯田好実(1巻)/高瀬志帆

確か3巻まで読んでるんですけど、1巻だけサブスクだったので読みました。

お取り寄せしたくなるね…生ものダメなので1巻で飯田くんが紹介していたもの尽くダメで笑った。

おとりよせ王子 飯田好実 1巻

おとりよせ王子 飯田好実 1巻

 

 

ビースターズ(1-21巻)/板垣巴留

完結記念で1-20巻まで無料になっていたので一気に読み、まんまと21巻を購入しました。

レゴシくんも好きですが、わたしはルイ先輩が好き…才能に驕らずもがいて努力する人が好きなので。

まさかアカシカに萌える日が来ると思わなかったよね。これだからオタクはやめられない。

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)
 

 

魔入りました!入間くん(1-18巻)/西修

3巻までサブスクで読んだらハマったので全巻購入しました。これだからオタクは。

坂道くん(ペダル)が主人公の暗殺教室って感じ。好きですね。

 

★まとめ的な

今年のアマプラセールでkindleを買い換えました!

1年使ってみてとても使い勝手がよく、これからも使い続けるだろうという事で容量を大きいものにしました。

前ほど気にせず漫画も小説もDL出来るようになって快適かつ危険です。

今まで使っていたkindleは姉に譲ったので、育児の合間の息抜きになると良いな。

もっとkindleユーザーが増えて、まだkindle対応していない作品も対象になってくれると嬉しいです。

ずっと言っていますが、小野不由美さんと宮部みゆきさんの全作品をkindle対象にしていただきたい…お願いします…。

来月も良書と出会えますように!

 

uso-kawa.hateblo.jp

 

何かあればこちらから。

 

【エーステ】WINTER2020 8/22(土)東京公演千秋楽

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エーステ冬組単独公演WINTER2020の大楽を鑑賞しました。

www.mankai-stage.jp

前回の秋組単独公演感想を書き上げたその日に、冬組単独公演全日程の中止が発表されました。

無理してやって万が一があったら大変だもんね。と大人ぶって納得しましたが、キャストの皆さんや演出家の方のツイートを見ながらじわじわ悲しくて、泣きながら追記を書いたことを覚えています。

そこから三か月半。

冬組単独公演、完走おめでとうございます。

今回は情勢の事もあり、自宅でディレイ配信で鑑賞しました。

リアタイ鑑賞する気満々だったんですがいつもの癖でディレイ版を購入してしまい、26日まで見れないセルフ焦らしプレイ。ただのバカです。

さてさて!本日のラインナップはこちら!!

 

 

☆構成と演出

春夏秋の構成を引き継ぎ、冬。

今回の時間に関する演出、すごく好きです。

コマを戻すようにシーンを戻し密くん視点でリプレイしたり、劇団員をうまく使って東さんの過去を回想したり。

暗転せずキャストの入替もなく過去を再現する見せ方は、劇団というA3!の強みを生かした演出だなと思います。

エーステ演出とは監督の「シャラ~ン」以外は完全に和解しました。何様。

支配人が雄三さんと迫田の役割を担っていて大活躍でしたね。

 

☆一幕:主人はミステリにご執心

ミステリーというのは心の駆け引きを楽しむジャンルです。

大人の集まりである冬組は「表面上は」まとまりよく冬組という所属に収まっていますが、ミステリーは表面を突破して心の中を探り探られ、一進一退の攻防を楽しむもの。

理由は違えど「人の心が分からない」という二人に、大胆に心に踏み込んでいくミステリーをぶつけてくる綴くんと監督ちゃん、なかなかにドSだなと思います。

もともとesの憂鬱が好きなので、劇中劇のBGMも最高に好みでした。

飲みに行く前にいきなりストアク始める幼馴染コンビは迷惑だから反省して。

 

有栖川誉(田中涼星さん)

涼星さんの誉さん大好きなので、今回とっても楽しみでした!!!

誉さんってよく天才設定にありがちな「無自覚に人を無下にする」というタイプではなくて、ちゃんと他者を気にかけたり思いやったりできる人なんですよね。

それってその人がどういう気持ちなのか分からないと出来ない事だから、本人が思っているよりちゃんと人の心が分かっていると思うんです。

とはいえ、小さい頃に受けた言葉というのは発した人が思う以上に心に刺さり、時として永遠に解けない呪縛になります。

人間関係をうまく継続できない誉さんにとって「お前は壊れた時計だ」という祖母の言葉は、誰かと深い関係を結ぶたびに甦る呪縛だったのでしょう。

誉さんのおばあ様は決して彼を傷付けるために言ったわけではなく「私とよく似た機械仕掛けのお前だけれど、愛してくれる人は必ずいる。おじい様がそうだったように。」という、とても分かりにくく不器用な愛の言葉だったわけですが、意図が思ったように伝わるならば誉さんは「壊れたサイボーグ」と自称することはなかったはずです。

人からかけられた呪縛を自分で解くのって、すごく難しい。

冬組はおばあ様の形見である「壊れた懐中時計」を通して、誉さんの呪縛を解いていきます。

「壊れた懐中時計」は彼らにとって「誉さんが大切にしている大事な物」なので、動かなくても何度壊れても「不要な物」ではありません。

壊れたら直せばいい。直せなくても大切ならば取捨選択のリストにのせなくてもいい。

愛するおじい様から送られた懐中時計を、自分によく似た孫に託したおばあ様。

誉さんが「壊れているから」という理由で時計を処分するような人じゃないと分かっているから出来る事です。

彼は不完全な物でも価値を見出し肯定できる、愛の深い人です。

きっと、誉さんのおばあ様もそういう素敵な心をもった人だったのでしょう。

劇中劇はモダンなBGMと鷺島の燕尾服のマッチングの高さ…交際成立です(?)

涼星さん、燕尾服が本当によくお似合いで…スタイルがいいから何着てもお似合いなんですけど…誉さんの髪色も相まってとてもモダン…良。

朝の挨拶を歌う誉さんはディズニープリンセスだし、ムムムム探偵ごっこする誉さんは天てれだし、鷺島さんは電撃文庫だし、一人エンターテイメントが過ぎる。ラブ。

 

御影密(植田佳輔さん)

声帯に寺島惇太を飼っている男。

初演から凄まじい完成度で密くんを演じた植田さんですが、今回も余裕で初演を超えていきましたね…もう怖い。

MANKAIカンパニーで、いわば二度目の人生を送り始めた密くん。

少しずつ自分の置かれた状況や新しい記憶のストックが出来始めた彼は、子どもの成長で言うと「なぜなぜ期」を迎えた頃なのでしょう。

密くんの「なぜ」に冬組はいつだって丁寧に答えます。

明確な答えがないものでも突っぱねることはせず、一緒に悩み、時に考えるヒントを教えてくれたりして。

ルーツがないから抱く彼の純粋すぎる疑問は、今まで「成長」を言い訳にやり過ごしてきた「いつかの自分」 が抱いていたはずの疑問だったりするんですよね。

だから、密くんに響いた言葉は冬組の心にもじわりと響いていきます。

完璧に全部を分からなくていい。分かろうとすることが大切なのだと。

どんなに仲が良くても、心を許していても、その人の全てを違わず理解することはできません。

けれど、理解しようとしてくれる人がいるという事実は、人を孤独から救い出します。

それでいいと言ってくれる人がいるだけで、人は次の一歩を踏み出すことができます。

「アリスのために」と懐中時計を直そうとする密くんの行動は、冬組が彼に与えた優しさの表れですね。

冒頭、ストアクに熱中する幼馴染に対して「ごはんは…?」って呟く密くん超可愛い。幼児。保護して。(してる)(????)

三角くんに並び、劇中劇の変貌が見物の密くん。

ちょーーーーーっとおバカでオレサマ坊ちゃまが嫌味にならずお似合いでした。

主人は~の衣装って秋組の銀二同様に攻めた配色だと思うんだけど、それが何の違和感もなくお似合いで…どういうことなの…。

お椅子にふんぞり返って「鷺島ァ!」って言う坊ちゃまかわいいね。

 

月岡紬(荒牧慶彦さん)/高遠丞(北園涼さん)/雪白東(上田堪大さん)

荒牧さん演じる紬くんのしなやかさが好きなんですが、第二回公演の見どころは何といっても劇中劇のクズな演技ですよね!!!!!

あの上品で可憐なお顔から発せられる「他に女がいるんだよ!!!」他、数々のクズ発言。

こんな紬くんが見られるのは劇中劇だけ!!!!!(それはそう)

丞が誉さんに向けた「直らなくても大事な物なら不要ではない」の一言、誉さんにとってすごく大切な言葉ですよね。

これをさらっと当たり前のように言える丞が冬組にいてくれてよかったと思います。

相変わらずお美しい東さん。短髪のお首元が妖艶でいらっしゃる…。

二幕に彼の過去が控えていると思うと…「板の上でなら息が出来る」って、ねぇ、それどんな気持ちで言ったの。

 

皆木綴(前川優希さん)/シトロン(古谷大和さん)

深刻なツッコミ不足…!

お、お客さまの中に皆木綴はいらっしゃいませんかー!!!!!!(フラグ)

綴くんのおかげでシトロンがまぁイキイキしてました。輝いてる。

綴くんの徹夜芸(違)すら己のボケに変えていく…なんて貪欲な芸人魂。

ソーシャルディスタ~ンス☆ウィン…ターはずるいじゃん。好き。

 

三好一成(赤澤燈さん)

夏組だとノリを見てボケとツッコミ器用にこなす一成ですが、今回は完全にボケに振りきって楽しんでましたね。笑

カズナリ     シトロン 混ぜるなキケン。

ん?名前の間空いてるって?ソーシャルディスタ~ンス☆

かましいわ。

 

伏見臣(稲垣成哉さん)

わちゃわちゃ騒ぐ春夏お笑いトリオを見つめる眼差しが完全に聖母。

でもちょっとツッコミ手伝ってあげて。

 

支配人は二幕の最後にまとめて。

 

☆二幕:真夜中の住人

自分の事を話すタイミングって難しいですよね。

なんでもない話ならふとした時にすることもあるけど、自分の中でも目を背けていることをわざわざ他人に話すのはとても勇気がいることだと思います。

誰かに話すということは、自分と向き合うということだから。

傷付かない・傷付けない距離を測って、安全圏から笑いかけて予防線を張るんです。

ずるいですね、大人って。

ずるいことばっかりしていると、ますますタイミングを見失う。

でも、時々、張り巡らされた予防線を突破してくる人がいるんです。

相手の為にそういうことが出来る人って、大体不器用で誤解されやすくて、バカがつくほど優しかったりするんですよね。

 

雪白東(上田堪大さん)

初演を見てからずっと、堪大さん演じる東さんの玲央を見るのが楽しみでした。

キャラクターの愛しているものや傷みを一緒に大事にしてくれる堪大さんだから、東さんの抱える過去にもきっと寄り添ってくれるだろうと。

ずっと独りで生きてきた東さん。

魅力的な彼が今まで独りだったのは、彼自身が独りを選択してきたからだと思います。

また独りになるのが怖いというのはもちろん、自分への戒めだったのでしょう。

孤独の恐怖を知っている東さんからしてみれば、玲央が別れを告げて孤独へと戻る台詞である「おやすみ、良い夢を」を自分の中に落とし込むのはあまりにも残酷です。

でも、物語を読めばわかる通り、玲央は独りじゃないんですよね。

浩太は最終的に「俺もつれていけ」というほどに玲央に心を寄せていくし、彼を気にかけて追ってきてくれたフランツもいる。

よくある言葉で言えば「一人だけど独りじゃない」。

二幕は東さんが自分の過去を回想するシーンから始まります。

客席に向けて独白で始まるその回想は、物語半ばで今度は劇団員に向けて語られます。

最初の回想では東さんが独りで振り返っていた過去が、今度は春夏秋組によるエチュードを模した形で表現される。

その見せ方が「東さんの過去に寄り添ってくれる人たちが今はこんなにいるんだよ」という演出のように思えてどうしようもなく嬉しかったです。

彼にとって冷たい絶望からの救いだった朝日が、愛しい日常の始まりに変わった日ですね。

劇中劇ではワントーン落ちた声と長髪がいろっぺぇのなんのってもぉ~~~~~~~~~~~~~~~~幸くんグッジョブ!!!!!!!!!!!!(テンションの差よ)

ミステリアスで艶っぽいあの魅力は、添い寝屋という特殊な職業をしてきた東さんだから出せるものですよね。

 

高遠丞(北園涼さん)

北園さんの丞は無骨さと不器用さと誠実さのバランスが絶妙ですよね。

回を重ねるごとにどんどん「丞らしさ」が出てきて、彼の中に高遠丞が落とし込まれて、冬組の高遠丞が出来上がっているんだなと感じます。

丞は言葉足らずな不器用さから紬くんとすれ違った過去をたぶんどこかで引きずっていて、人の心への踏み込み方を模索しているんだと思います。

どうにかこうにか東さんと言葉を交わして距離を縮めたい丞ですが、相手は東さんです。そう簡単に心の中に立ち入らせてはくれません。

この辺のやり取り、年上の美女に翻弄される大学生って感じでとても微笑ましかった。

本人からしたらそれどころじゃないでしょうけども。笑

丞の怖いところは演劇への探求心と、演劇を通すとどこまでも踏み込める純粋さだと思います。

そしてそれは人付き合いも言葉も不器用な彼が東さんと向き合うために持ち出した最強のカードでもあります。

カンパニーで唯一職業欄に「役者」と書ける彼の演技への熱量は、同じ舞台を作り上げた冬組が一番よく知るところでしょう。

知っているから、それを盾に迫られたら無下に出来ないんですよね。

自分なりのやり方で距離を詰めても嫌悪に繋がらないのは、周りが認めるほど実直に誠実に演技と向き合ってきたからこそだと思います。

その直向きさは劇中劇の浩太へと反映されます。

玲央が作ったサンドイッチを「うまい!」と言うところや「いや、良いやつだよ」という能天気にお人好しな一言の言い方とか、何気ないセリフの言い方から溢れ出る「イイヤツ感」が浩太という人を表していましたね。

MANKAIカンパニーの舞台でワイシャツネクタイという「普通」の衣装が珍しくてちょっと新鮮でした。

余談なんですけど今回自宅で鑑賞したという事もあり珍しく感想をメモしながら観ていました。

そのメモに「丞…お前初めてのデートでパスタが好きって言われたら毎回イタリアン連れていくタイプか…」原文ママ)って書いてあるんですが、なんのシーンの事かさっぱり思い出せない。

余談というか蛇足が過ぎない????

 

月岡紬(荒牧慶彦さん)/有栖川誉(田中涼星さん)/御影密(植田佳輔さん)

第二回公演に続き胡散臭い紬くんが観れるのはMANKAIカンパニーだけ!(それはそう)

某至くんのせいで中二病アクトに見えて仕方なかったです。笑

荒牧くん、自他ともに認めるゲラなのに笑いどころ多すぎてかわいそう愉快。

劇中劇のハイネック誉が爆イケすぎてパリコレかと思った。

2時間に及んだパンフ撮影のデータ全部ください。

密くんと紬くんの殺陣は見事だったんですが、それ以上に終幕後のエイプリルの伏線に全部持っていかれました。

え、そんな…エイプリルって、続編期待しちゃいますけど…?

 

皆木綴(前川優希さん)/シトロン(古谷大和さん)

ツッコミが足りないと誰もが思っていたけど、違うそうじゃない。

予想外の形でフラグ回収されて爆笑が止まりませんでした。

だってまさかパネル芸が始まると思わなかっ…ボケとツッコミのタイミングからテンポの良さまで、シトルン芸人極めすぎ。

 

三好一成(赤澤燈さん)

パネル芸強すぎてそれ以外の記憶があまりない。ごめん。

 

伏見臣(稲垣成哉さん)

パンフ撮影の下りで「誉さんはいつでも素敵ですよ」的なことを言っていて、めちゃくちゃ有能カメラマンだった。

誉さんを口説くんじゃないよ。(※口説いてません)

 

松川伊助(田口涼さん)

いつものおとぼけポジションに加えて、稽古パートで雄三さんの伝言役から賑やかしアンサンブルまで舞台のいろんなところを繋いでくれていました。

支配人がいると安心して息が抜けるので、個人的には毎回出演してほしい。笑

オープニングで「春、夏、秋ときて、やっとここまで来ましたねぇ」的なことを言っていてもう無理でした。

 

☆レビュー

街路樹にイルミネーションが灯ったような、静かでキラキラしたエンジェルスノーが大好きです。

しっとりした曲調の中で「今夜は少し飲もう」って乾杯の仕草をする丞と東さんが可愛い。

そして今回のレビューで全監督の涙腺が崩壊したであろう、春夏秋冬のメドレーパート。

単独公演通して各組のカラーで歌われてきたblooming smileですが、4つの季節がつながることで初めて完成する歌だったんですね。

冬組単独公演の「終わり」にすべての季節をなぞって「Show Must Go On!」と続けてくれるこの舞台を好きになって良かった。

最後の挨拶で紬くんを通して荒牧さんが舞台への思いと感謝を述べてくれました。

大楽のあの瞬間を迎えるまで沢山の人が悔しさと憤りと不安を抱えていて、それを超える熱量をもって実現の為に奔走してくれたのだと改めて感謝がこみ上げました。

 

の終わり、そして…?

目まぐるしく移り変わる季節に地上へと向けられていたエネルギーは、寒さと共に地中へと向かいます。

次の季節の為に土壌を整えながら、それぞれの場所で静かに見守るように景色にそっと色を添える冬の花に出会うと、わたしたちは寒さに固くなった頬がふと緩んでいることに気づきます。

そんな冬に巡りあった五人が時間を共有した『天使を憐れむ歌』。

複雑怪奇な人の心を分かりたいと踏み出した『主人はミステリにご執心』。

変わらない過去でも失われた場所を埋めてくれる人たちの温かさを知った『真夜中の住人』。

日々変わっていく情勢の中で上演された、舞台に魅せられた人たちの物語であるエーステの最後の単独公演。

わたしたちが想像しているよりも大勢の方が見えないところで支えてくれていたんだろうと思います。

届けたい感謝は観劇後の電子アンケートに言葉を尽くして記入しました。

ここに書いても誰に、どこに届くわけでもないけれど、何度でも改めて感謝をしたいです。

寒くて凍えてしまいそうな冬でも、どんなに雪に埋もれても、わずかな日差しを逃さず咲き誇るための力に変える。

まさに冬の花々のような、冬組を体現した公演だったと思います。

次の公演は…二幕最後の演出を見てしまった以上期待してしまうのですが…?

続編が来るとしてもキャス変の恐怖がついてきますがどうなるんでしょうか!

再び春が巡ってくる事を願っております。

 

★まとめ的な

8月の話を書いているうちにエーライも終わりましたねぇ。(他人事)

エーライが開催する以上、その前に冬単独やらなきゃだよなぁでもエーライもどうなるかわかんないしなぁ聞いてんのかコロナお前のせいだぞ?????オタク特有のキレ方をしていたものの、どちらも公演・完走出来てほんっと~~~~~に良かったですね!!!!!!!!

春夏公演から始まり冬単独までタイムラグはめちゃくちゃあるものの、全公演の感想を書くことが出来ました。

冬単独はもっと先になることを覚悟していたので秋単独で「現実と舞台の季節がリンクする冬の星座が瞬く頃に」と書いたのですが、まさか真逆の季節に上演が叶うとは思わず…上演されなければ感想は生まれないので、嬉しい限りです。

エーライもね、最高でしたよね…観ましたか皆さん…。

※ここからちょっとエーライの話です

新しく追加された「13月は君の夢」、最初の一音が低い音から始まってその後リーダーズ四人の歌声が入るじゃないですか。

あれが暗くて静かな開演前の客席と幕が上がる瞬間の緊張感と、上がる幕間から舞台のライトが溢れ出して演目が始まった時の高揚感に似ていてすごく好きです。

監督と一緒に今までの舞台を振り返るという設定が素晴らしく、各組の公演を最初から全部観たくなりましたし、シャッフル公演なんてもうさ、アレはダメですってあんなん好きじゃんオタクああいうの好きじゃんなんでそういう事するのドリームチームとかシャッフルとかそういうのオタク大好きありがとうございます。(突然のクレッシェンド早口*1

初日幕が上がったことに号泣したんですが、なんだかんだ毎公演泣いていた気がします。

大楽ではオープニングを迎えられたことにまた泣きましたし、横田さん演じる咲也くんが昼公演では堪えた涙を夜公演では堪えきれなかったところでさらに泣きました。

飲んだ水分が目から全部出ていくスタイル。(どんな?)

エーライは感想が多すぎて記事にする予定がないんですが、話出すと止まらないね…観たいものバンバカ見せて頂いた気持ちです。

コーレス箇所も沢山あったので、円盤化したら友人とペンラ振りながらコーレス有鑑賞会したいと思います。

 

エーステ・エーライ関わった全ての皆様。

感謝を重ねすぎてもはや地層か?というほどですが、本当にありがとうございました。

 

uso-kawa.hateblo.jp

 

 

なにかありましたらこちらから。

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*1:感情が高ぶるあまり徐々に声のボリュームが大きくなるオタク特有の語り口の事。公共の場でやるととても迷惑なのでやめましょう。

9月読んだもの

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めっきりしっかり気温が下がり始めて最高ですね。

絶賛動画映画ドラマが観たいシーズンで読書はちょっとお休み中な9月に読んだものたちです。

本日のラインナップはこちら。

 

※作者の敬称は省略させていただきます。

小説

鬼の跫音/道尾秀介

静かに淡々と心がざわつく物語が並ぶミステリー短編集。

行き過ぎた感情から鬼の跫音に追い付かれてしまった人たちの話。

作者の他の著書も読みたくなりました。 

鬼の跫音

鬼の跫音

  • 作者:道尾 秀介
  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: Audible版
 

 

エピタフ/あせごのまん

3つの短編が収録されたホラー短編集。

日本的なねっとりした居心地の悪い雰囲気が漂う一冊でした。 

エピタフ (角川ホラー文庫)

エピタフ (角川ホラー文庫)

 

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー/ブレイディみかこ

小説ではなくエッセイですが、文章物という事でこちらに。

話題作なだけあってとても面白く興味深く読みました。

あらゆる視点から行われる差別。偏見。

そこで流されず自分で考えて選択するための思考力。

無意識に行っている差別や偏見って絶対あって、それは無知という言葉で目を背けていいものではない。

自戒のためにも定期的に読み返したい。

それ以前にファンクなかーちゃんと聡明すぎる息子くんが最高だから、沢山の人に読んでほしい。 

 

漫画

ブルーピリオド(8巻)/山口つばさ

八虎がなんとか水面から顔を出して息を吸うように、喘いでもがいて向き合った先で再び「渋谷」という街に向き合ったところで泣いた。

優先順位をちゃんと見直せて、人を素直に褒められる八虎は偉い。 

 

アキはハルとごはんを食べたい/たじまこと

水曜日のトリップランチの方の最新作です。

pixivで読んでいたので書籍化してとても嬉しい!

2人の食べっぷりと仲良しっぷりを見てるとにこにこしちゃう。 

 

あんさんぶくぶスターズ!/大川ぶくぶ

悪いのはハッピーエレメンツ!

ぶく永くんかわいくて大好き。ぬい出ないかな。

 

SPY×FAMILY(5巻)/遠藤達成

ちちもははもアーニャもかわいい。ボンドもすき。

アーニャのドヤ顔と悪い顔が可愛すぎてSo Cute! 

SPY×FAMILY 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)

SPY×FAMILY 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

★まとめ的な

9月の気圧変動すさまじくなかったですか?

暑いやら花粉飛んでるやら低気圧やらで体調がカオスでした。

とはいえ着実に大好きな冬に向かっているので上機嫌です。

そろそろこたつでゴロゴロしながら読書の気温になってほしい。

10月も良書と出会えますように!

 

uso-kawa.hateblo.jp

 

 

 

8月読んだもの

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毎年夏は在宅を推奨してほしい。(挨拶)

近年稀に見る快適な夏生活を過ごした気がします。

本日のラインナップはこちら。

 

 

※作者の敬称は省略させていただきます。

小説

破滅の刑死者(1-3巻)/吹井賢

1巻がサブスクだったので読んだついでに買いました。

値段分はまぁ楽しめたかな…ラノベです!!!って感じ。

今見たら4巻出てるけど続きを読むかは悩みどころ。  

 

うちの執事に願ったならば(9巻)/高里椎奈

「願ったならばシリーズ」完結おめでとうございます。

そして、烏丸花穎くん。ご成人おめでとうございます。

Twitter脊髄反射の読書感想ツイを垂れ流しておりましたが、花穎くんの成人を見届けられて本当に嬉しいです。

9巻を読了後「言うことには」の1巻から読み直しました。

言葉一つ振る舞い一つとっても、自信がなく周囲の反応を伺ったり悩んだりしていた18歳の花穎くんと、今までの人生を凌駕する濃密な2年間を経て20歳を迎えた花穎くんの成長を感じるたびに泣いた。

出来ることならその先の花穎くんも、彼を取り巻く世界の移り変わりも観ていたいけど、それは高里先生次第ですね。

なんて物分かりいいフリしたくない!!!!!寂しい!!!!!!!!

花穎くんもっと見たい!!!!!お願いします!!!!!!!!! 

うちの執事に願ったならば 9 (角川文庫)
 

 

漫画

SPY×FAMILY(既刊5巻)/遠藤達哉

ジャンプラで3巻くらいまで読んで止まったいたんですが、フォロワーさんが「面白いよ!」と言っていたのを機に買いました。

ちょうど新刊(5巻)発売月だったのでタイミングよかった。

登場人物みんなちょっとバカで癒される。

個人的によつばと!的なポジションの漫画。 

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

マグメル深海水族館(6巻)/椙下聖海

レストラン併設の水族館として必ずぶち当たるであろう問題に正面から向き合って、マグメルなりの答えを描いてくれる誠実さが好き。 

嵐くんのご飯食べたいよ~~~~~!!!!!

マグメル深海水族館 6巻: バンチコミックス
 

 

違国日記(6巻)/ヤマシタトモコ

朝の視野の狭さと無頓着さからくる図々しさがイライラする。(心が狭い)

エミリちゃん、適度な距離感で付き合ってね…情で自分を責めて生み出した毒を抱え続けちゃダメよ…。 

 

アザミの城の魔女(既刊3巻)/たらちねジョン

他を圧倒する魔力とカリスマ性をもつ美しい天才魔女と、それを超えるほどの魔力をもったゆえに「呪いの血」とされた少年の話。

性癖のスペシャハッピーセット。ドストライクですありがとうございます。

コミュ障な天才が師弟関係を通して世界や人との距離を縮めていくファンタジー

今すぐ新刊出してほしい。新刊発売予定は来年ですって。無理です。 

 

いぶり暮らし(1巻)/大島千春

kindleサブスクで1巻読みました。燻製食べたくなる。 

いぶり暮らし 1巻 (ゼノンコミックス)

いぶり暮らし 1巻 (ゼノンコミックス)

 

 

里村さんんの欲望ダダ漏れごはん (1巻)/市川ヒロシ

これもサブスクで読みました。里村さん、生きづらそう。 

 

★まとめ的な

8月、何をしていたかと言われればあんスタ!!のイベントを走ってました。

(夢)彼氏初の☆5イベントだったので…ゲームの才能がないのでMusic走るの辛すぎて2凸で諦めました。音ゲ周回つらすぎ…Basicの方は完凸出来ました。なんの話ですか?

最近は読みたい熱に変わって観たい熱が上がってきているので、積読を増やしつつ映画やドラマをちょいちょい観ています。

グレイテストショーマンとレベル16が面白かったです。(温度差)

9月ももう中旬を過ぎてしまいましたが、良書と出会えますように!!!

 

uso-kawa.hateblo.jp

 

7月読んだもの

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引きこもりでも夏嫌いでも、晴天は気持ちいいですね。

本日のラインナップはこちら。

 

 

※作者の敬称は省略させていただきます。

小説 

狐火の家

鍵のかかった部屋(防犯探偵・榎本シリーズ)/貴志祐介

原作の榎本さんはちょっとオラついていて、これはこれで好き。

これで完結かと思っていたら、もう一冊出てるみたいなので読みたい予定です。 

 

最後の七不思議(ホーンテッドキャンパスシリーズ新刊)/櫛木理宇

櫛木さんの書く人の愚かさや業の深さが好きなので、新刊も好みでした。

心が殴られた後に森司くんとこよみちゃんのホンワカじれじれパートで救われます。

交際0日でさっさと結婚しろ。 

 

ペスト/アルベール・カミュ

いま読んでおきたい本No.1ということで読みました。

目の前の仕事をこなす人、そこで役割を見出す人、天罰を唱える人、現状から目を背ける人、壊れた世界に居心地の良さを感じる人…人というのは70年くらいじゃ何も変わらないですね。 

ペスト(新潮文庫)

ペスト(新潮文庫)

 

 

真夏の日の夢/静月遠火

クローズドサークルミステリーです。

舞台は現代の学生物件。

その設定でクローズドサークルを実現させたのは面白い試みだなぁと思います。

ちょっと強引すぎでは?と思うところはあったけど、主人公の一人称視点で読みやすくサクサク読めます。 

真夏の日の夢 (メディアワークス文庫)

真夏の日の夢 (メディアワークス文庫)

 

 

共犯マジック/北森鴻

人の不幸のみを予言する「フォーチュンブック」を軸に、それを手にした者の末路が描かれたミステリー。

短編連作が一つの話へと集約されていくので、一気に読むのがおすすめ。

共犯マジック (徳間文庫)

共犯マジック (徳間文庫)

 

 

謎解き紙芝居(既刊2巻)/中村ふみ

5月に読んだ「夜見師」と同じ作者の小説です。

 バッドエンドしか描けない若き紙芝居屋と、イマドキいい子な高校生の話。

既刊2巻なんですけど謎が謎のまま残っているので続き待ってます…発売が2015年だけど…待ってます…。

なぞとき紙芝居 (角川ホラー文庫)

なぞとき紙芝居 (角川ホラー文庫)

 

 

ヴンダーカンマー/星月渉

椿ヶ丘学園の生徒・渋谷唯香を殺したのは誰か。

共犯マジックと似た構成で、短編連作に散りばめられた謎が最終章で明かされます。

悲しく、残酷で、憎らしく、澱み濁ったその感情の源は、愛。

ヴンダーカンマー

ヴンダーカンマー

 

 

漫画 

オリオリスープ(全4巻)/綿貫芳子

友人がおすすめしていて、ちょうどセールだったので買いました。

スープが主軸ではなく、「おいしい」は人生を頑張るためお薬だったり起爆剤だったりするよねという、あくまでエッセンスなのが良いですね。

素材のおいしいところが全部頂ける汁物は最高。 

 

水曜日のトリップランチ(終巻3巻)/たじまこと

最後までほのぼの美味しい話で幸せな気持ち~!

お互いの喜ぶ顔が一番好き!な二人が可愛い。末永くお幸せに!

 

山と食欲と私(3-5巻)

日々野鮎美の山ごはんレシピ/信濃川日出雄

kindleサブスク対象になっていたので読みました。

読んでるとアウトドアした気分になれていいですね。(インドアの発言) 

山と食欲と私 3巻: バンチコミックス

山と食欲と私 3巻: バンチコミックス

 

 

 

あせとせっけん(新刊8巻)/山田金鉄

初めての事にネガティブだった麻子さんが、名取さんと付き合い初めてからマイナス思考より好奇心を優先して行動できるようになっているのが嬉しい。

もともとチャレンジ精神は旺盛な人なんだろうな。

大事にしてくれよ、名取。え、誰目線ですか? 

 

恋せよキモノ乙女(新刊6巻)/山崎零

椎名…お前…めっちゃももちゃんの事大好きじゃ~~~ん!!!!!

元カノの誘いきっぱり断ってて偉いぞ!!!いや、だから誰目線ですか?

お仕事も恋も頑張ってどんどん成長するももちゃんが今日もかわいい。

恋せよキモノ乙女 6巻: バンチコミックス

恋せよキモノ乙女 6巻: バンチコミックス

 

 

アンドロイドは愛の夢を見るか?(既刊2巻)/ヒダカリョウ

絵柄が好みで買ったらR18だった。女の子がむちむちしてて可愛い。

強がりなリコも 、リコをでろでろに甘やかすアキトくんも最高。

リコちゃん大好きなアキトが可愛くて可愛い。

 

放課後は喫茶店で(既刊4巻)/あずさきな

pixivで読んで購入。絵柄が好きだと買う人、ハイ。

茶店でゆっくり珈琲が飲みたくなるね。珈琲飲めないんですけど。 

放課後は喫茶店で: 1 (comic POOL)

放課後は喫茶店で: 1 (comic POOL)

 

 

螺旋じかけの海(既刊3巻)/永田礼路

kindleサブスクだったので読みました。

遺伝子操作が合法となり、人間以外の動物遺伝子が一定基準値を超えた者は「動物(人間ではない)」として処分される世界の中で生きる研究者と異形の者たちの話。

コミカルとシリアスのバランスが良く、過度に暗くならず読める。

ヒトとは、命とは、自由とは何か。ハガレン好きな人は好きかも。 

螺旋じかけの海【新装版】(1)

螺旋じかけの海【新装版】(1)

 

 

レゾナントブルー/ヨルモ

良質な百合の詰め合わせ。好き。

友情や憧れが恋へと変わっていく過程や、彼女に恋した瞬間を描いた作品。

瑞々しくて甘酸っぱい、ハッピーエンドの詰め合わせ。いいじゃない、創作だもの。

レゾナントブルー (girls×garden comics)

レゾナントブルー (girls×garden comics)

  • 作者:ヨルモ
  • 発売日: 2019/08/30
  • メディア: コミック
 

 

 

★まとめ的な 

kindleではもっぱら女性向け漫画ばかり読んでいますが、少年誌青年誌は紙媒体で買っているものの本屋に行かなくなったので購入が止まってるんですよね。

全部電子以降したい気持ちはあれど、一括購入するには量が多いのでお財布とkindle容量と相談中です。

最近知ったんですけどおお振りって今33巻まで出てるんですか…?

我が家の最新刊30巻なんですけど…ヒロアカも21巻で止まってますし…。

紙の方が売り上げ貢献とか本屋さんのためとか色々良いという話もありますが、性格的に電子書籍の方が相性いいんですよねぇ。

時代の流れもありますし、どちらでも貢献できるように共存してほしいものです。

ちょっと愚痴っぽくなっちゃった。やめやめ!

8月はマグメルも違国日記も、うちの執事シリーズも新刊が出るのでワクワク予約済みです。

引き続き良書と出会えますように!

 

uso-kawa.hateblo.jp

 

 

生産性のない日々に愛を込めて

イマイチ乾きの悪い洗濯物を取り込みながら、かすかに聞こえ始めたセミの鳴き声に気付いて「そういえば夏が来るんだなぁ」と思う。

あまりに長い梅雨なのですっかり忘れていたけれど、今年も夏が来てしまう。

2020年が始まって、7か月。

すべてが予定通りにいっていれば、今頃は暑さに不快感を示し、お祭り騒ぎに浮かれた街中を斜めに見ながら、暑さにうなだれ、押し寄せた五輪観光客にうんざりしつつ、暑さにブチ切れ、おいしいキャンペーンにはちゃっかり乗っかる夏のスタートを切っていたんだろう。(お分かりかと思いますが、暑さとは永遠の絶交宣言をしています。

 

さて、現状はと言えば、外出は週に二回の出社のみ。

平日残り三日は在宅勤務で、土日もひたすら引きこもりの生活。

好きを仕事にしているという事もあり、3月以前までは土日も仕事を入れて完全オフは月に2日程度も良くある生活サイクルだったけれど、もともと引きこもり気質なので、外食出来ない事と友人たちに会えない事を除けば比較的快適な生活を送っている。

家にいて何をしているのかと聞かれれば、kindleとVODとソシャゲをぐるぐる。

モノ作りに興味を持っても、一週間もすれば大体飽きている。飽き性。

料理は好きだけど、作り置きがあると「食べなきゃいけない」という強迫観念に取りつかれるのがダメで、食べきれる範囲の物しか作らない。

そんなわけで、実に非生産的な日々を送って、気付けば7月が終わる。

なにも生み出さないままに、上半期どころか下半期始めの一か月が終わった。

なにもせず、家にいて、終わった。

(厳密に言ったら1月から3月はいつも通り過ごしてたはずだけど、今までにない出来事で自粛の印象が強すぎる。)

これはちょっとまずいのでは…だってこんなに時間があって、何も…なんてダメな人間なんだろう…と10秒ほど思って、ちょっと待てよと振り返る。

わたし、もともと非生産的な人間では???

「時間があるのに何もせずにわたしは…」とさも時間があれば何かを生み出せるかのように話したけど、特に生み出せるものもないし、生み出したいとも思ってなかったわ。

 

世の中の成功者たちは言う。

「時間を無駄にするな」「人生遅すぎることはない」

確かにそうだ。何かを成すためにはまず動き出すことが大事である。

成したい「何か」がある場合は、ね。

そういう人たちがいるから技術は向上するし、新しいものが生み出されていく。

ありがとうございます。恩恵を受けています。

わたしは0の概念を生む発想も、0から1を生み出すことも出来ない。

出来ないし、やりたいとも思わないのだ。

いつも通りの2020年だったとしても、上半期ベストコスメや買ってよかったものを淡々とまとめるくらいしか書くことなかったんじゃないかな。

だからと言って、非生産的な事を気に病む必要もない。

自分のスキルを活かして仕事をし(いまはほぼ仕事ストップしてるけども)、自分で自分を養い、懐具合を見ながらも欲しいものを買ったり好きなものに投資が出来る。

きちんと自分の機嫌は自分でとることも出来るし、幸せの閾値が低い分、ばかみたいに毎日ハッピー!やったー!と生きている。

最近一番のハッピーは?と聞かれれば「7月24日に推しのお誕生日をお祝いできたことです!!!!!今まで他校だったのでバースデープロコ*1がなく、お祝いのログインボーナスとボイスをもらって終わりだったので、バースデープロコを回せる幸せをかみしめながら一日を過ごしました!!!!」と延々語りだす勢いで答えるだろう。

自分の毎日を生産しているわたしが、なぜ病む必要が…?(自己肯定感爆高女)

頭打ったら死ぬような脆弱な身体で、得体のしれないウイルスが蔓延しつつある世界で(今のところ)感染もせず、毎日を「自分で稼いだ金」で生きてるんだよ、十分偉くない???????

 

自粛が続いた上半期の中でスキルを獲得・向上した人もいるでしょう。

耐えられず何かを生み出し始めた人もいるでしょう。

新しい事を初めて悪戦苦闘しながら楽しんでる人もいるでしょう。

やりたい事があるなら「せっかくだから」精神でこの機会に始めるのもありでしょう。

でもね、良いんですよ。「なにもしない事」に苦しまなくたって。

人に迷惑をかけていないならいいんです。

するもしないも、わたしの人生。あなたの人生。

わたしは明日も息をするようにツイートをして、本を読んで、映画やドラマを漁って、ソシャゲを回して、気が向いたら特に読み応えも中身もないブログを更新するでしょう。

そこから「何か」が生まれないと知っていても、わたしは生きているだけで偉いので。

 

今週のお題「2020年上半期」

お題からズレている気しかしないけど、上半期終えた今だから思えたことなのでお題投稿とさせて頂く。謎の強気。

 

*1:バースデープロデュースコースの略。お誕生日当日のみ発生する特別なイベントの事。