読書感想文の話題を目にする季節。
わたしは読書感想文を書くのが苦手です。
最近はあらゆるところで文章構成フォーマットを見かけるので、それに沿って一度書いてみるのは楽しそうだなぁと思ったり思わなかったり思ったりしています。
小説
魔女の子供はやってこない/矢部嵩
できごとログでもふれたのだけど、読書人生で最も苦戦した本でした。
たった336ページの物語を読むのに5日間ほど要した。
主人公の少女(小学生)の視点から一人称で書かれているんだけど、所々支離滅裂だし、世界観も現代のようで現代じゃないし、とにかく読みにくい。
これだけ読みにくい文章を意図して書くの、相当な労力だろうな。
肝心の内容はというと、めちゃくちゃ面白かったんですよね…こんな読みにくい文章なのになぜ。
残酷だし、ぐろいし、とても利己的。だけど、爽快。なんで?
返り血と虫の死骸とエゴを纏い、ご機嫌な歌を歌い、笑いながら涙を流して自分たちが除草剤撒いて枯らした土地に造花を植えてるみたい。
読後の爽快感は、枯れた土地に敷き詰められた造花のお花畑を見て「きれいに咲いたね」って言ってるようなものだから、爽快というワードチョイスは違うような気もする。
積極的におすすめなんてできないけど、わたしは好きでした。
読みにくさの中に出てくる表現やワードがとてもよくて。
燃やすと食えそうな街ね!
「帰りは急だよ。最終話だもの」
「初めてだもん私最終話」
めちゃくちゃで意味わからんくて好き。ノイタミナ(ってまだ枠ある?)でアニメ化してほしい。
竜ノ国幻想 神欺く皇子/三川みり
マシュマロでおすすめしていただいたやつ!
正直、あらすじを読んだときは「中華ファンタジーっぽい、読めるかしら…」と……まったく、おすすめしていただいたのにそんな失礼なことを~!
普段は手に取らないあらすじだったから許してほしい。
でも、同時に「読んだものログを見たうえで、これをおすすめしてくれた」というのも気になって。
まずはと一巻を読んでみたら、おすすめしてくださった意味が分かりました。
類似作として十二国記を挙げていただきましたが、わたしってば履修しておらず…。
履修範囲内で言うと、漫画ですが田村由美さんのBASARAとも似ているなぁと思いました。
神である龍を崇めながら、人が定めた慣習に翻弄される主人公たち。
『持たざる者』とされた人々が、それでも抗いたいと己と心を殺し、作られた運命に蝕まれないように生きる姿にぎゅっとなる。
1巻の終盤はとくに苦しくて、気が付いたら泣いてた。
終わり方が気になりすぎて、読後すぐに既刊(4巻まで)を購入しました。
魔女の子供は~の読みにくさが後を引いているせいか、少し小説熱が落ち着いているのですが、ゆるゆると読み進めています。
まんが
僕の呪いの吸血姫(新刊4巻)/金井千咲貴
わたしの推し癖まんがの最新刊が出たよ~~~!!!!!
4巻はツクヨミちゃんサイドの新キャラ(ファミリー)がたくさん登場しましたね。
どいつもこいつも何かしら拗らせていて最高にキャラ立ちしてる。
ツクヨミちゃんの正体や唯鈴くんの過去、二人の接点…気になることが多すぎる。
の、ような。(新刊6巻)/麻生海
なんかね、気がのらない日ってあるよね。
大人も子どもも、気がのらなくて外に出られないときってある。
それをちゃんと伝えられるのはわがままじゃない。えらいよ、ハル。
日常ってままならなくて、自分のことなのに分からないことも多いし、他人のことはもっと分からないし。
なんとかかんとか生きてると、ふと腑に落ちる事もあったりする。
分からない他人から学ぶこともある。そうやって人生って進んでいくんだと思う。
頼りたいってちゃんと言葉にできてえらいね、冬真くん。
作りたい女と食べたい女(新刊4巻)/ゆざきさかおみ
家族に育ててもらった恩と、自分の人生は全く別の話だよねぇ。
人は社会と関わって生きていくものだけど、関わる社会を選択する権利もある。
自分が惨めになる社会から離れることを決めた春日さんの選択を応援したい。
作者が漫画を通して描きたいテーマや伝えたいことが多く、そして大きく膨らんでるように思う。
なんでもそうだけど、作品で描かれるのは『一つの見解』でしかないことを忘れずにいたい。
これを読んで「同じ属性の人たちの総意なんだ!」というのは暴論だし、「全然違うのに…」と憤っている当事者の方もいるだろうし。
あくまでも、作者の描く一つの見解。なんでもそう。
読者として、個人として、そこはきちんと理解しておきたい。
花野井くんと恋の病(新刊13巻)/森野萌
かがりちゃん、本当に長女だなぁ。
わたしもほたるちゃんと同じ次女で、姉が好きなので、ほたるちゃんの気持ち分かる。
生まれた時から自分より少し先の違う人生を生きていて、他の人より特別で唯一無二なの。
見栄とかそんな事どうでもよくて、大好きなんだよねぇ。
小さな学区の中での人間関係だから、そういう繋がりもあるだろうとは思うけど、そこ繋がるんだ?!
光が死んだ夏(新刊3巻)/モクモクれん
彼らの『日常』がありきたりな10代の青春であればあるほど、同時進行で起こっている『怪異』の恐怖が色濃くなっていく。
ヒカルが無垢すぎて、異質で異形なものなのに感情を寄せてしまう。
次巻から謎解きパートに入るかな。楽しみですね。
作中と現実の季節が近づいて、じっとりした蒸し暑さの中で読むのがとても良かった。
逃げ上手の若君(新刊11巻)/松井優征
鎌倉奪還。
今までのどのシーンよりも感情を溢れさせる時行に、その道程を見守ってきた一読者として、一緒に泣いてしまった。
ここからは更に戦と別れ(死別)のターンに入っていくと思うのだけど、今は帰還の喜びに浸ってほしい。
一貫してこの作品の『鬼』として描かれている尊氏を、松井先生がどういう『人間』として描いていくのかも楽しみ。
ダイヤモンドの功罪(新刊1巻)/平井大橋
Twitterで大反響を呼んでいる漫画。
内容もさることながら、タイトルへの帰結が素晴らしいなと思います。
本人の意図に関係なく、『価値(輝き)』に目がくらんで人々が求め狂っていく。
そしてその『価値』はスポーツが娯楽以上の地位と注目度を確立している現代において、『創られた価値』であるという意味でも、ダイヤモンドはこれ以上ないメタファーだよ。
信頼関係や友情をはぐくむより前に、劣等感からくる敵意で虐げられてきた綾瀬川くんに円滑なコミュニケーションを求めるのも酷。
綾瀬川くんのご家族が狂わされていない事も。功績であり罪過だなと思う。
氷属性男子とクールな同僚女子(新刊8巻)/殿ヶ谷美由記
冴島くんにキュンキュンしまくる狐森さん、かわいいね~。
書き下ろしの同僚3人女子旅、解釈違いから論争になるのも微笑ましい。
論争になっても険悪にならないから安心して見ていられるのも良いよね。
メインカップル(まだ付き合ってない)には大きな転機が。
続きはpixivで読んでいるので知っているんですけど、単行本でも改めてキャッキャしたいから次巻が待ち遠しいですね。
踊る千年家族(新刊4巻)/春日井晶
一人背負おうとするアーサーと、それを許さない兄弟たちやゼバイルさんに、アーサーの人柄が見える。
一見すると利益主義でクールなアーサーだけど、誰よりも社会と関わって他者を思いやって生きてきたんだよね。
たった7人の不老不死家族に対して、敵がどんどん強大になっていく…戦闘機で追撃て…。
兄弟たちが血みどろの奪還バトルをしている一方で、姉妹たちはお楽しみ旅行しているギャップも良い。
推しカプハネムーン出来て良かったネ。
まとめ
日を置くほどに書くのが億劫になるというのは去年学んだはずなのに、また溜め込んじゃって~人間味あって良いね。(ポジティブがすぎる)
現時点(8月21日)で7-8月はほとんど本を読んでおらず、ボリューム的に2か月分まとめて更新するかもしれません。
積読が良い感じに溜まっているから、そろそろ読書波が来る予感。