読んだもの2023-09&10

我が物顔で居座り続けた残暑のせいで、積読ばかりが増えた9月。

残暑の終わりが見えず、泣きながら乗り越える事だけを考えていた10月。

ということで(?)、今回も二か月分まとめての更新です。

 

小説

愛されなくても別に/武田綾乃

サブスクで借りました。

いわゆる『毒親』の元に生まれた女子大生たちの話。

隷属させ、生活のすべてを依存する親。

娘に手を出し、体を売らせる親。

あらゆることに干渉し、監視し、コントロールする親。

選べない理不尽のもとに生まれ、自分の人生を歩むために傷つき、傷を舐めあうように身を寄せ合う彼女たち。

ともすればずっしりと苦しくなりそうだけど、新たに生まれた楽しみや幸せを軽やかに書き出していて、気鬱にならずに読めた。

「だって、私は愛されているから」と自分のすべてを差し出す必要はない。

『愛されなくても別に』、その人生を生きるのは貴方なのだから。

 

解剖探偵/敷島シキ

こちらもサブスクで借りました。

ドラマの影響か、法医学もの増えている気がする。

分かり易い設定とテンポよく進む展開で、あっという間に読めた。

『死人の霊が見える刑事』という設定でありつつ、捜査への取っ掛かりに過ぎないのがいいですね。

まだ解決していない謎もあるし、続き物なのかしら。

平成のオタクだから、こういうラノベ感強いキャラはcv.平野綾で再生されがち。

 

准教授・高槻彰良の推察EX2/澤村御影

彰良先生シリーズ番外編集二冊目。

サブキャラクターが深堀されていくの、良いよね。

難波くんがいいやつなのはみんな承知の上だけど、いいやつが眩しすぎる事もあるよね。わかるよ~。

彰良先生周辺とは別の人間関係として遠山さんに懐く深町くんと、深町くんを通して今まで手放してきた関係を再構築する遠山さん。

二人のぎこちない距離感の詰め方が可愛い。

それぞれに語りだすと止まらないくらい、どのお話も大好き。

魅力を引き出しつつ、本編の大筋を邪魔することなく、サイドストーリーとして物語の奥行きを広げていく。

EXの使い方がとてもお上手だなぁと思う。

 

雨宮兄弟の骨董事件簿/高里椎奈

発売日に購入していたものの、積読になっていたやつ。

高里さんのノーブルな描写、好きなんだよねぇ。

知識と想像力が足りないから、ちゃんと理解しながら読むのは少し大変なんだけど。

うち執やシードゥスと比べるとファンタジー寄りですね。

海星くんの出自が気になりつつ、激重感情を抱えている兄・陽人くんがね、好きですね。(でしょうね)

二巻も購入済みなので読むのが楽しみ。

 

憧れの刑事部に配属されたら、上司が鬼に憑かれていました(1-2巻)/飛野猶

サブスクで借りました。

よくある怪異絡みの警察バディ物だけど、軽すぎず、でも読みやすくてよかった。

阿久津さんと亜寿沙ちゃんの信頼関係が作られていく過程が丁寧に書かれていて、その変化を見守るのが楽しい。

オカルトと事件の絡め方のバランスが好き。

 

まんが

3月のライオン(1-5巻)/羽海野チカ

5巻までサブスク対象だったので読みました。

羽海野さんの作品って、登場人物もそうだけど、作者自身がすべてを投影している感じがして、読むのが苦しくなることがある。

零くん以上にあかりさんが心配になってしまった。

 

シロとくじら(新刊2巻)/tunral

続刊があるの…か…?と思っていたから、嬉しい!

甥姪がくじらくんと同じくらいの年頃なので、シロに感情移入してしまう。

兄弟姉妹の子どもとの接し方、そうよね、分かる。

くじらくんにとって、シロの隣も安全地帯になっていて、良いなぁ。

シロとあおちゃんの会話もね、良いよね。

表に出していないだけで、頭の中でぐるぐるしている人はたくさんいると思う。

感情移入しつつも、すみちゃんパパの一言にもやるシロの気持ちはよく分かんなかったな。

あそこに関してはわたしもすみちゃんパパの意見と同じなので。

 

違国日記(11巻/完結)/ヤマシタトモコ

見守ってきた朝と槙生ちゃんの不器用な共同生活。

突然放りだされた砂漠の中で、進む方向も分からなくて、分からないことに憤りいらだっていた朝。

そんな彼女を通して、姉や自分と向き合う槙生ちゃん。

人と関わり、育てるということは、己と向き合い育つということなんだなと思った。

抱えたモヤモヤを「むかつく」の一言に押し付ける事しかできかなった朝が、言葉で生きる槙生ちゃんとの生活を経て、表現を覚えていく。

日本語にはたくさんの表現があって、心は色々な言葉で表せる。

それを知ったうえで「あいしてるの一言」でいいじゃん!という朝。

朝の言葉を分かったうえで、なお、「足りない」という槙生ちゃん。

このやり取りに、二人のすべてが集約されている。

違国日記の感想だけで一記事書けちゃうな。

 

もののがたり(16巻/完結)/オニグンソ

『婚礼調度』というからには結婚エンドでしょう!と思ってはいたけど、改めて表紙や本編を読むと、込み上げるものがあるねぇ。

白無垢をまとうぼたんちゃんがとても綺麗で、それを迎える兵馬くんが頼もしくて。

この日が来ることを祈り、相手を待ち侘び、やっと迎えたその姿を見つめる婚礼調度たち…って泣きぬれるかと思いきや、最後までドタバタ賑やかで彼ららしい。

本懐を遂げたとか言ってる場合じゃないわよ!!!!!

とても幸せに溢れた、最高のハッピーエンドでした!

 

まとめ

買うだけ買って読んでないものが多すぎて、もういつ読んだのか…。

「これで一記事書きたいな~」と思っているうちにあっという間に月日も経つし。

読書メーターも結局全然つけていないし、瞬発力のある読書ブロガーさん、本当に尊敬します。

でもまぁ、書いてるだけ偉いね。(圧倒的自己肯定力)

やっと寒くなってきたし、年末年始は長めのお休みが取れそうなので、積読の育成&解消が捗りそうです。

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