2月読んだもの

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飽和しまくっている妖・ごはん・ラブコメを嗜みすぎて批評家気取りになり始めてしまったので、二月は原点回帰と言いますか、自宅にある既読小説を再読しました。

わたしは小説を読み返すことがほとんどありませんが、子どもの頃や学生の頃に読んでいた本を読み返すと当時感じていたものや刺さるポイントを思い出すことがあって、それは当時の自分の幼さや生意気さや今より柔らかい故にささくれ立っていた繊細さを見るようで、気恥ずかしいものがあります。

それと引き換えに、気付かぬ間に変わっていた感性もあったりして。

そういった受け止め方の変化も、読み返すことの醍醐味だなぁと思ったりした月でした。

ノスタルジーに浸ったところで、本日のラインナップはこちら。

 

小説

熱海温泉つくも神のお宿で花嫁修業いたします/小春りん

違うのよ。(なにが)

月またぎで読み切ったので、妖ラブコメはここまでです。

熱海行きたいなぁ。温泉宿に泊まりたい。 

 

ぜんしゅの跫/澤村伊智

ぼぎわんが、来る から続く比嘉姉妹シリーズ最新作です。

今までは「怪異と向き合う姉妹それぞれの話」だったけど、今作で「怪異と姉妹の話」を読めて嬉しい。

映画繋がり(中の人ネタ)で琴子さんがアナ雪を歌ったのよって言うくだりがあったりして、作者も映画の姉妹を踏襲した上でぜんしゅを執筆したんだなぁとニコニコした。

密かに真琴を心配している琴子さんかわいい。 

 

ぼくは勉強ができない/山田詠美

秀美くん、好きなんですよね。

かっこよくて女の子にモテモテで、勉強より大切なものがあるから忙しい秀美くんが「かっこいい」を軸にしながら自分を取り巻く人たちや社会を見つめる話。

中学の時に出会って以来、ずっと本棚にある一冊。

全てにまるを付けて、生まれてきたばつを選び取って、好きな香水をまとって生きていこう。 

ぼくは勉強ができない (文春文庫)

ぼくは勉強ができない (文春文庫)

 

 

放課後の音符(キイノート)/山田詠美

17歳の少女の視点から見た、様々な恋愛のお話。

これを読んだ当時、ド田舎の中学生だったわたしは「都会の高校生はなんて成熟しているんだろう」と驚愕しました。

いま思えばバブル世代の大人が描いたティーンの恋愛なので時代背景から違うんだけど。

でも、出てくる女の子たちがみんな背伸びしていて可愛くて素敵で。

恋愛体質じゃないからか、恋愛小説って読んでいて疲れてしまうことが多いんだけど、この話に出てくる女の子たちはみんな恋愛の愚かさと儚さを知りながら、強かに美しくあろうとしていてとても好き。

赤い口紅が気怠く見えるうちはつけない方がいいんだよね。

本当の大人の赤い唇って、絵具箱の中のあの色みたいにあどけないんだ。

 少女たちに何かを諭せる大人に、わたしはまだなれていないみたいだ。 

放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

 

 

十角館の殺人/綾辻行人

どんでん返しミステリーと言えばこれ!と言われる一冊。

記憶を飛ばしてもう一度読みたい…ミステリあるあるですよね。

館シリーズは暗黒館で止まっているので読みたいな…長いのよね…。

実写化(香取慎吾さん主演?)の話が出ていた気がするんだけど、どうなったんだろう。

 

探偵ガリレオ/東野圭吾

湯川先生~!好きです。(告白)

ガリレオシリーズはドラマから入って、小説は一作しか読んでいないのですが、続刊が結構出てるから続き読みたいな。

ドラマと設定が異なる部分もあるけど、科学に誠実で偏屈な湯川先生が好き。

福山雅治さんをキャスティングするのはずるいですよね。

新作映画も予定されているという事なので、やっぱり続刊読むしかないな。 

探偵ガリレオ (文春文庫)

探偵ガリレオ (文春文庫)

 

 

すべてがFになる/森博嗣

科学や工学知識が盛りだくさんで読みにくさはあるのだけど(相性の問題です)、パズルが埋まっていくように終結していくのはさすがの読み応え。

以前アニメ化したんでしたっけ?気になるね。 

 

悪の教典(上下)/貴志祐介

ハスミンが破綻するまでを丁寧に書いていて好き。

破綻し始めるとただの殺戮なのでね…大量殺人という点では胸糞だけど、個人的に胸糞レベルは低め。(胸糞レベルとは) 

悪の教典(上) (文春文庫)

悪の教典(上) (文春文庫)

 

 

うちの執事に願ったならばEX/高里椎奈

花穎くん!!!!!会いたかったよ!!!!!

過去に寄稿された短編と書き下ろしが収録されたものなので読了済みのお話も合ったのですが、花穎くんに会えることがもう嬉しい。

小針さんの前では後手後手で年相応に見える赤目さんもかわいいね。

欲を言えば大学のお話や初めての飲酒のお話も伺いたいのですが…新シリーズいかがでしょうか…。 

うちの執事に願ったならば EX (角川文庫)

うちの執事に願ったならば EX (角川文庫)

 

 

 

漫画

はじめアルゴリズム(1-3巻)/三原和人

数学が世界の形を可視化してくれるという話はいまだにピンとこないんですが、可視化される前段階が「分かる」人が実際いるんですよね?

数学の文字列を通して見える世界ってどんな感じなんだろう。 

 

ダンピアのおいしい冒険(既刊2巻)/トマトスープ

ウィリアム・ダンピアという実在した博物学観察者の手記を元に書かれた漫画。

1670年代から船に乗り、3回も世界周航を成し遂げたすごい人。

こういう人がいたから人類は絶えず発展してきたんですね。感謝。

Twitterで一話読んで面白かったことを思い出し、タイトルが分からず「サメ 食べる 冒険」で検索したらGoogle先生が無事に教えてくれました。さすが。 

ダンピアのおいしい冒険 1

ダンピアのおいしい冒険 1

 

 

違国日記(7巻)/ヤマシタトモコ

少しずつ感情の発露先を見出す朝。

動いても大きな世界は変わらないけれど、自分の見る景色を変えることは出来る。

若ければ若いほど、動き続けることで未来は細かく分岐していく。

分岐の先を生きている自分が、新しい分岐点を作ってしまう怖さ。

7巻でもみんな臆病に大胆に、不器用に生きていましたね。 

 

あせとせっけん(新刊10巻)/山田金鉄

ご結婚おめでとうございます!!!!!!

ゆっくりなようであっという間に結婚ですね、良かった~!

結婚しましたちゃんちゃん!じゃなく、式に向けての雑事までちゃんと描いてくれるの嬉しい。

麻子さんのウェディング姿めちゃくちゃ楽しみだよ~!!

ね、みんなドレスどんなの着ていく?(参列者を気取るな) 

 

ヨーロッパたびごはん/ながらりょうこ

ねこと私とドイッチュラント作者のコミックエッセイ。

ヨーロッパって街並みが可愛くていいですよね…行ってみたいな~。 

 

まとめ的な

二月は新しい仕事がありまして、忙しくはないんですが気持ち的にソワソワした月でした。

気温も上がって花粉も飛び始めて…春ほんと勘弁して…。

季節性鬱とかではなく、シンプルに花粉と暑さがだめなのでこれから向かう季節を思って毎日ゲンナリしています。

とはいえ季節は巡るものですからね、仕方ない。冬もう少し長くていいけどね。(粘着)

適度に自分を甘やかしながら乗り切ろうと思います。

三月も良書と出会えますように!! 

uso-kawa.hateblo.jp